組織内部で自分の立場をどのように確立していくかを考えている人には,必要不可欠な本であると言える。(評価: )
企業の組織内で自分のやりたいことをするための戦略について,具体的に詳しく書かれている。前半部分は,話が抽象的であまり内容に関して,これはというものはなかった。しかし,第3章の2の「目標設定の怖さを理解する」という項目はとても納得できた。著者は,ミニディスク(MD)の世界展開に失敗したソニーとiPodで成功したアップルについて,ソニーを批判し,アップルを褒めちぎる世論に対して批判している。そして,ソニーはMDは「立派なチャレンジだった」と評価し,またアップルは,過去にアップル・ニュートンと呼ばれる個人用携帯情報端末(PDA)で失敗している事実を挙げ,ともに優良企業であると結論づける。それは,「失敗は,成功のための必要経費」であり,アップルやソニーが,過去にこれだけ膨大な量の成功と失敗を繰り返したのも,両社が,明確で高い目標を勇気を持って設定し,それを達成するための戦略を立案し,実行することのできる優れた企業だからであると述べている。そして,明確な目標を立てての失敗を,結果論で非難することは卑怯なことであるとも述べている。私は,この本を読むまでソニーに対して批判的であったが,確かに著者の言われる通りだと納得した。失敗は成功の母であり,確かにそれができる企業というのは優良企業である。
また,第5章の1の「人を説得するための方法論を知る」で示されている人間の特徴を理解する手法の一つであるCSI(Communication Style Inventory)という「自己主張の強さ」と「感情が表に出るかどうか」の2つの軸で分類された4つのタイプの説明が非常に面白かった。そして,自分の組織内の人たちをこのCSIに当てはめてみると,確かにそのような分類になることが実感でき,さらにそれを理解することで,個々の人たちにどのように対処していけばよいのかが,具体的にイメージできた。これは,私にとって新しい発見であった。
本書は,一般論の域を出ていないかもしれないが,その内容が非常に詳細でわかりやすく,一般論だからこそ多くの人たちに当てはまることがある。組織内部で自分の立場をどのように確立していくかを考えている人には,必要不可欠な本であると言える。
この評価・レビューへの支持:投票総数 4件中 4票の支持
|