いつまでも魅力的でいられる?(評価: )
老後について考えるようになったとは、上野も疲れたのかと思いましたが、まだまだ見通しが若いですなあ。
人間の魅力はその人個人に所属する不変の値ではなく、年齢にともなって変化するものです。
誰でも、老いることによって、愚痴っぽくなったり、未来に対する希望を失っていく傾向があります。体が弱ってくるので、自分を守ろうとして利己的にもなります。容姿は当然衰え、他者に何かしてあげられる能力も低下します。現役で働けなくなるので、経済的にも弱者側に転落するでしょう。
総じて、老いるとは、魅力を失うことなのです。
もちろん老いて、増す魅力というものもあります。経験による知識、落ち着き、思いやり、欲望の低下。
しかし恋人は、若くわがままな異性と、老いた優しい異性のどちらを選ぶでしょうか?
知識や知恵は、年齢と比例して常に増すのでしょうか? もし、認知症になったら、それは老いのせいではありませんか?
老いによって増す魅力は、失われる魅力をおぎないきれるほどではないのです。
上野のこの本は、自分の今の魅力、権力、経済力、そして友人が不変であることを想定しています。
老いとは、魅力や権力や経済力が失われ、友人が次々と死んでいくことだという、単純な真理を彼女は理解していないようです。
事実彼女は、自分よりはるかに年上の老いた友人の老後の面倒をみているわけではありません。
彼女が老人の面倒を見ないように、当然、彼女が老いた時、彼女の面倒をみてくれる人もいないでしょう。
そういった現実を直視してから、もう一度この問題について考えてもらいたいと思うのです。
この評価・レビューへの支持:投票総数 26件中 23票の支持
|