同好の士が増えることの楽しみ(評価: )
仏像を鑑賞することは高校時代からの小さい趣味だが 仏像のDETAILには詳しいわけでもなかった。本書を読んで大変勉強になった次第だ。
一点目。仏像の細部が十分考え抜かれて出来上がっている点に感心した。手のありよう一つ一つにも意味が与えられている。仏像は それ自体が 仏教の教えを体現しているという点には目から鱗が落ちる思いがした。字が読めない人にも 仏教の教えをビジュアルに教えることができると考えた2000年前の人たちの知性と意欲には驚くしかない。その意味では仏像自体が一種の「本」であると言えると感じた。
二点目。時代の流れで仏像の形が変わっていく点は 前から感じていたが 本書ではきちんと科学的に説明されており大変勉強になった。いわばその時代の流行の変遷ということなのだろうが 著者は そこから一歩踏み出して その時代の人の心性に迫ろうという一つの方向性も出してきている。これは 本書が 優れた歴史の研究書とも言えることに通じる。
三点目。本書がきっかけとなって仏像ブームが起きたと聞いた。非常に嬉しい限りだ。日本の仏像の美しさに惹かれて30年の年月を経てきた僕として 同好の士が増えることになる。ぜひ 多くの人に あの美しさを感じて貰いたい。欧州だけが彫刻の都ではないのである。
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