「庶民」から「大衆」への変貌とは?(評価: )
「プロ野球の父」「原子力の父」など数々の偉業を成し遂げたといわれた正力松太郎の生涯を凄まじいまでの取材力と観察力を駆使して綴られた、著者渾身の超傑作。この下巻では、公職追放から復権し、日本テレビ、プロレス、原子力発電所などのパイオニアとして名声を高め、史上唯一の天覧試合を成功させ、その死後までが描かれている。正力氏の偉業に対する評価は、この本を読んだ人それぞれが判断してくれればいいと思う。あとがきでの著者の言葉「庶民というものが、いかにして大衆というものに変貌したのか」には、ここまでこの長いルポを読み進めてきた読者には衝撃的でさえある。昭和という時代によって、庶民が大衆に劣化していくその様を、正力氏の影を追いながらわれわれは見せ付けられてきたのだから。
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