一次情報の大切さ(評価: )
本書はとにかく範囲が広い。地球温暖化はもちろん、森林破壊、食料危機、エネルギー資源の枯渇、水、
大気汚染、酸性雨、水質汚濁、化学物質、生物多様性等々、について著者の考えを述べています。
約600ページ有り、この本一冊がそのまま環境問題に関する百貨事典のような感じです。
また、本書のために精査した参考文献の数が凄い! その数なんと2,930!!その全ての出典が本書の最後に載せられており、
「興味ある人は是非自分で調べて欲しい」そうです。
で、結論からいうと、現在の世界は「確実に良くなっている、が、十分には良くない」ということ。
・地球は確かに温暖化しているが、それが与える影響はマスメディアが論じるほどに深刻なものでない、
・森林破壊はあるが、それ以上に再生し、増えている、等々、マスメディアで伝えられるものとは違う結論が導き出されています。
注意したいのは、著者は「だから環境破壊を継続してもよい」と言っているのではないということ。
環境保護に費やす費用を、客観的事実に基づいて世界を取り巻く諸問題に優先順位をつけ、効率的に使うべきと主張しています。
これはマイケル・クライトンと同じ主張ですね。
本書を読んで痛切に感じたのは、一次情報の大切さということ。本書で度々引用される、ワールドウォッチ研究所の
「地球白書」と同じ一次情報を用いているが、その解釈が全く異なるということ。場合によっては「恣意的」に
客観的事実が曲げられて伝えられている可能性が大きいということ。かといって、私のような一般人には
常日頃から本の参考文献の一次情報に目を通すことは時間的にも語学的(学術雑誌は英語で、専門用語のオンパレードですから)
難しいですけどね。
アル・ゴアの「不都合な真実」を本屋でパラパラと読んだのですが、とっても衝撃的ですね。破滅的的な写真で視覚に訴え、
感情に訴える。「保護か、破壊か」のような、分かり易い二者択一を迫っているように感じました。
環境危機を示すデータは見当たりませんでしたが・・・。
環境危機に興味ある方は、環境危機を訴える本 (ワールドウォッチ研究所の「地球白書」や、
レスターブラウンの「プランB」等)とともに、本書を読んでみることをオススメします。
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