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本(和書) > 宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作 のレビュー・価格情報

宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作

単行本
高沢 皓司
新潮社
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「宿命―「よど号」亡命者たちの秘密工作」購入者のレビュー・評価

  生々しい「よど号」のその後(評価:評価:5
 本書を読む前に、図書館の新聞縮小版で、当時の報道を読んだことがありました。その時も、どきどきしながら夢中になってページをめくり、事実は小説より奇なりだなあ、などと思いました。ちなみに、よど号の1970年4月は、アポロ13号もありました。
 そして本書ですが、よど号のその後を追った作品として、非常に読み応えがありました。海外活動、日本潜入、工作・・・。作者の取材による事実と推測が良い感じに絡み合い、考えさせられる作品になっています。
 ノンフィクションの王道と言えると思います。
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  北朝鮮と「よど号」犯に向き合う(評価:評価:5
この本の解説に某新聞社の社会部長と週刊誌の編集長が、「これがジャーナリズムの仕事だ」と前置きして、編集部の全ての記者編集者にこの本を読むようにと奨励した、と言うエピソードが載っています。「講談社ノンフィクション賞」も受賞しており「プロ」が認めた作品と言えると思います。

この本を読めば「よど号」犯の「情熱」と「無知」、北朝鮮で生活せざる得ない「絶望」と「諦め」、次第に「良心」を麻痺させ、北朝鮮の工作員に「成り下がる」様子(「よど号」犯は、北朝鮮で「特権貴族」のような生活をしており、北朝鮮的に言えば「成り上がる」と言える)、北朝鮮の工作員としての「活動」などがよく理解できます。

この本は「よど号」犯の側から言えば「裏切り」と言えるのですが、高沢氏はこの本を書き上げました。北朝鮮など「共産圏」を賛美しながら、実際は「資本主義」の日本で「なに不自由」なく暮らし、今も北朝鮮に向き合わない言論人が多いなか、高沢氏は例外的な言論人と言えるのではないでしょうか。
この評価・レビューへの支持:投票総数 1件中 1票の支持
 
  おすすめします(評価:評価:5
 内容は飛行機をハイジャックしてかの国へ渡った日本赤軍の現在までの歴史を綴ったものである。700頁近かったが一気に読めた。人は感情を動機として行動する。しかしその自分の行動に対して理論や理屈を絶対にくっつけたがる。この本の場合は日本赤軍,すなわち思想や革命というタームで己を理屈づけ行動していた人間が主である。飛行機を乗っ取ってかの国へ渡った彼らが,いつの間にかその国の思想に行動を支配され、その思想に感情がフィットしていく過程が描かれている(それを洗脳というのだろう)。いかに人が「集団」というものになっていくかがよくわかる。これは彼らにしろ、一連のカルト団体にしろ、まったく同じだ。彼らは実に無邪気で世間知らずである。そして程度の差はあれ無知は罪であり迷惑だ。しかしこの「無邪気さ」は人が産まれて齢を重ねる過程で,誰もが通過儀礼として,この種の「無邪気さ」を内包する時期を迎えるように感じる。
 洗脳の方法、過程、彼らの行動が膨大な資料、調査、取材に基づいて丁寧に書かれていて作品のバックボーンがしっかりしている。この手の本は下手な感情論が支配してしまい、読者を誘導してしまう危険性を常に伴うが、これにはそれを極力排している所に好感が持てる(読む人間によるだろうが)。しかも作者が彼らのかつての同士、友人であった点を考慮するとこのバランス感覚は合格であろう。いかんせん語られていることが膨大かつ極めて重たいため,読み終わった後の疲労はなかなかだ。そして一番やるせないのはこの物語がまだ続いているというところだろう。もうハッピーエンドを迎えるのは不可能に感じる。
この評価・レビューへの支持:投票総数 7件中 5票の支持
 
  スケールの大きな正統派ノンフィクション(評価:評価:5
確か。平壌宣言前、文庫化してすぐ読んだ。純粋に面白い。
よくもこれだけ取材ができたなと思う。よど号メンバ自身ともパイプの
ある著者にしか書き得ないものではと思う。
実際、この本の出版後かなりしてから、よど号メンバーによる欧州での有本
惠子さん拉致関与報道がTVでおおきく取り上げられる。
奇をてらったやりかたは一切ない。にもかかわらず、衝撃をあたえるとすれ
ば、それは事実の凄さだ。まったく数奇な運命である。
かの国はホントどうしようもないな。
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  知られざることを垣間見る衝撃(評価:評価:5
 昨年、本作をモデルにして2時間ドラマが作られたが、「よど号」が北朝鮮に到着するまでで終わった。しかし、「よど号」事件とは、それは単なる始まりでしかないのである。ハイジャック事件自体は記憶にあっても、そこから何があったのか知らない人の方が圧倒的に多い。知られざることを紐解こうというジャーナリズムとして最高峰の一冊であることは疑う余地がない。某新聞社は新入社員に参考図書として配ったらしい。ただ、著者がリーダー・田宮高麿と旧知の仲であったことは忘れてはならない。取材の下地として、彼だからこそそこまでメンバーに話を聞けたのでもある。ただ、本作品の上梓後、著者がよど号グループから非難を浴びたことを考えると、著者の作ったディテールを除く事実関係への信憑性は限りなく高いといえる。
 本作のメーンとなるのは、間違いなく、メンバーが北朝鮮に到着して以降の物語である。本作に書かれていた出来事を読者は果たしてどこまで知っていただろうか?いや、おそらく知らなかったことばかりであろう。

 600頁を超える量を読んだことへの達成感はもちろんあるが、それでも読後感がスッキリしないのは、「知られざることを<知る>」までは到達できず<垣間見た>だけで終わってしまうからか。これがすべてではない。つまり、それは北朝鮮という国が不明瞭であることの証明でもある。

 北朝鮮問題が表面化している昨今、その原点ともいえる「よど号」事件についての理解を今こそ深めようではないか。

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