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本(和書) > ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫) のレビュー・価格情報

ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫)

ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫)

文庫
アーロン・J. クライン
角川書店
価格:¥ 780
平均評価:評価:4.5
納期:通常24時間以内に発送
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「ミュンヘン―黒い九月事件の真実 (角川文庫)」購入者のレビュー・評価

  藪の中(評価:評価:4
本書は、1972年のミュンヘン・テロを契機に展開された、
イスラエル政府公認の暗殺作戦の模様を、
主にイスラエル政府を情報源として回顧するものです。
記述は原則として編年体であり、信憑性の高さをうかがわせます。
ただし、著者がイスラエル国防軍に籍を置くなどしていることに注意すべきです。

というのも、本書の内容が、
映画「ミュンヘン」とその原作「標的は11人」と多くの点で異なっているからであり、
それらは、イスラエル政府の方針に反発してアメリカへ去った、
一軍人を主な情報源としているからです。

私なりの結論を申し上げるならば、
暗殺作戦に関しては、真実は本書と「標的は11人」の中間にあるのだろうということです。
基本的には中立であるものの、イスラエル政府のお墨付きで書かれた本書、
そしておそらく全体像は把握しておらず、
また、個人的な功名心なども多少混入しているであろう後者のどちらも、
機密性が高く、また国際法上許されるものでない暗殺作戦の真実を描いていないと感じます。

むしろ、本書の白眉というべきは、
1972年のテロ事件における旧西ドイツの迷走ぶりと、
孤立無援の中で犠牲者のために奮闘した遺族の頑張りを収めている点だと思います。
怖いのは、我が国でこのようなテロが発生した場合の、日本政府の対応でしょう。
中央官庁の方は、ぜひ本書の旧西ドイツの愚行を、以って他山の石としていただきたいです。

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  ミュンヘン事件とは(評価:評価:4
1972年のミュンヘン事件と、それに続く一連の
モサドによる暗殺事件についてのルポルタージュ。
50人以上のモサドに関係した人々へのインタビュ
ーによって、彼らが起こした一つ一つの暗殺事件
に対して、筆者は克明な描写をすることに成功し
ている。

ミュンヘン事件の概要を知りたい方にお薦め。
イスラエルの諜報機関の実態についても、参考に
なる箇所がいくつもある。

ちなみに、この本を読んだからといってパレスチナ
とイスラエルの紛争が理解できるわけではない。そ
の主題は明らかに本書の範囲を超えているし、その
ような主張が文中でされているわけでもないので注
意。あくまで、その一端の話。
この評価・レビューへの支持:投票総数 3件中 3票の支持
 
  映画「ミュンヘン」への異議申し立て(?)(評価:評価:5
映画の公開に併せて刊行されたとおぼしき本書、映画の印象が薄れないうちに急いで読みました。

私は映画を見て、その原作とされる「標的は11人」も読んでいますが、同じ史実について述べているはずの本書は、おそろしく映画・原作と異なっています。たとえば、映画・原作ではイスラエル政府からもモサドからも離れ独立した5人の暗殺チームが、まず最初に11人の暗殺対象リストを渡されます。そして政府やモサドの支援を受けずに暗殺を遂行してゆく。ところが本書では、11人のリストなんて存在せず、黒い九月と関係したとおぼしき人物をじっくり時間をかけてリストアップし、一人一人殺してゆく。単独チームなんかではなく、モサドの正規工作員が何十人もかかって作戦を行う。暗殺現場近くに設営した移動本部では幕僚が報告を待っていたという。全然違うじゃん!

本書の著者はイスラエル国防軍の情報局長も務めるというジャーナリストです。おそらく、本書の主たる情報ソースはイスラエル政府筋でしょう。映画・原作の情報源がモサドに反逆した元職員・暗殺実行犯だったのとは対照的です。本書はイスラエル政府がこの暗殺作戦をどう総括しているかを、ジャーナリスト個人の名前ではありますが、準公式な歴史としてまとめたものと言えましょう。

私は、本書が真実だとはけっして思いません。しかし、映画・原作が真実だとはとうてい言えないことも、よくわかった。イスラエル国民の深い孤立感・寂寥感は本書によく描かれていた。とくに、五輪で殺された人質遺族のその後の記述はすごかった。30年も孤独な戦いを続けたのだそうです、遺族たちは。
スピルバーグが投げてよこしたボールをしっかり受け止めようと思って読んでみたのですが、十分期待に応えてくれたと思います。
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