『農協=農業=食品を考えるために』(評価: )
書かれたのが今から20年程前になる書物だが、昨今浮かび上がる食の問題について眺めてみると、いまだに見過ごせない一冊である。
本書の文体は、硬い。しかしそれは、きちんと論証するために必要とされる、膨大なデータ・引用文献・インタヴューの出典を示し、それらの解釈を行っているからだ。著者の建設的意図を感じる。
対象としているのは、農協で扱っている品目とその組織である。つまりコメ・野菜・肉・肥料・石油などなどの、生産から商品になるまでと、地方・中央の農協組織、これらをターゲットとしているので、必然的に、農業や食品流通の一面を鳥瞰図のように示すこととなる。まさにこの点が、個々の問題とともに、重要な本書の特徴である。
時は経っても実に大事な、重要な、ルポルタージュである。
さて、他国の実状についても知りたいところだ。ルポルタージュではないが、良質ノン・フィクション『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローザー著が、ファストフードをとおしたアメリカの食品とその業界について視野を与えてくれる。さらに、『穀物メジャー』(岩波新書黄版)も良い。参考にしてみてはいかがであろうか?
ともかく、本書は重要な労作である。
推薦。
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