実用にも使える(評価: )
哲学書として読む方と(晩年の孔子が本を綴じたひもが三回擦り切れるくらい熟読したという伝説がある)、占いの書として実用的に使おうとする方とあるだろう。本書はその両方の目的に堪える。 簡単に占いについて書いておこう。洋の東西を問わず、占いは二種類に分けられる。星占術と偶然性を利用したもののふたつである。例えばカバラなどは前者に、タロットは後者に分類される。もちろんおみくじは後者だ。易は、東洋占術の中で代表的な後者に属するものだ。じゃらじゃら(メドギという植物を使う)でもコインでも占い可能である。 注目すべきは易の特異な思想だ。通常、占いは「変更不可能」を特徴とする。実際、始皇帝が、自分の満足のゆく結果がでるまで占いを続けさせ、それならば占いなどする必要などない、と言ったエピソードは有名だが、本書にも「二度占ってはならない。占いが穢れるからだ。穢れると真実は告げられない」とはっきり書いてある。 では、不幸にも「凶」の暗示が出たらどうすればよいのだろうか。ここに「易」の特徴がある。易の思想は、災難をあらかじめ知り、その被害を少なくするために未来を予知する、ということにある。つまり、人為的な努力によって未来は変更可能だと考えるのだ。ここに未来は固定されたものとみなす西洋占術との大きな違いがある。 あとは原文に当たっていただきたく思う。何か一つでも西洋の占いに親しんでおいたほうが、易の特質に対する理解は深まるかもしれない。
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