デリダってこういう人だったんだ!(評価: )
この本を買うにあたってハーバーマスの発言に関しては何となく想像はついた。やっぱりこんな話になるのかなぁ、という感じでフンフンなるほど、とすんなり入った。
で、デリダがここで出ているのは当代の代表的な思想家二人の意見拝聴という程度でデリダ登場ということなのだろうと思っていた。でも読んでビックリ。なんと、あのデリダが実に丁寧で分かり易く、かつ自分の倫理的立場をこの上なく明確に語っている。すごく狐につままれた感じがした。デリダ、というと他人の作品のあら捜しをこの上なく緻密に徹底的にやり抜いて相手を完膚なきまで破壊して自分の知的優秀性を誇示しているだけの鼻持ちならない嫌な奴というのが私の感想だったから、何か別の人の文章なのではないかと混乱してしまった。でも紛れもなくデリダの文章なのだ。デリダは実はもともと倫理的な人だったのだということをボッラドリという人が解説してくれていてなるほど、とわかった。そうだったのだ。2004年のデリダの死というのは我々が大きな灯台を無くした年でもあったのだな、というのが率直な感想である。これから私は真面目にデリダの後期から晩年の著作を読んでみようと決意させてくれる本であった。
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